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11 / Web制作ディレクション

顧客に伝える価値から組み立てる、Webサイト制作

流通・小売業向けの業務システムを提供する企業のWeb制作を担当。商品ごとの価値が伝わりにくく、問い合わせや展示会申込につながる経路も弱かったサイトを、顧客の関心から見直しました。企業サイトと独立採用サイトを対象に、訴求・構成の提案からデザインディレクション、実装への引き継ぎまで進めました。

概要:対象:業務システム企業|担当:訴求・構成設計、ワイヤー、デザインディレクション|企業サイト・独立採用サイト

依頼の背景と対応

クライアントは、流通・小売業の業務を支えるシステムを開発・提供する企業です。企業サイトでは、商品を知ってもらうだけでなく、問い合わせや展示会への参加につなげる必要がありました。

一方で、既存サイトは商品が同列に並び、それぞれが誰のどんな困りごとに役立つかを伝えきれていませんでした。必要な商品情報へたどり着く経路も弱く、先方からはサイト経由の展示会への流入が少ないという課題が挙がっていました。

この改修にあたり、顧客に伝える価値と閲覧経路の整理から、サイト構成・ワイヤーの提案、デザイナーへの指示と確認までを担当しました。独立採用サイトの制作も含め、顧客と求職者それぞれが知りたい情報を整理し、次の行動へ進める構成を検討しました。

確認した課題設計で対応すること
商品が同列に並び、価値が伝わりにくい商品ごとのメリットと対象者を整理
商品の情報にたどり着く経路が弱い検索・記事・トップから商品ページへの経路を設計
展示会への流入が少ないイベントの概要・詳細・申込をつなぐ
訴求の言葉が顧客の関心とずれる企業の特徴を、依頼するメリットへ言い換える

企業サイトと独立採用サイトの制作

企業サイトでは、トップ、商品一覧・詳細、導入事例、展示会・ウェビナー、企業情報などを設計。独立採用サイトでは、人・仕事・働く環境・社内制度・募集要項を整理し、応募につながるページを制作しました。

私が訴求・構成・ワイヤーを検討し、デザイナーと意図を共有しながらデザインを確定。その後、コーダーによる実装へ引き継ぐ体制です。先方とは事業や商品についての情報、掲載素材、内容の確認をやり取りしながら進めました。

2020年9月の課題整理からページ設計、採用情報の拡充、デザイン確定、実装への引き継ぎまで
訴求・構成の整理から、デザイン確定と実装への引き継ぎまで。 拡大表示 ↗

企業の特徴を、顧客が依頼するメリットへ

「独立系」は、親会社を持たず、特定のメーカーの製品に縛られないことを指す、売り手側の言葉です。「独立系だから強みがある」と伝えても、顧客には自分にとって何がよいのかが伝わりません。なぜ独立系だと顧客にとって役立つサービスを受けられるのかまで、顧客の言葉で伝えるよう提案し、訴求を整理しました。

先方の打ち出し
「独立系」であることを、強みとして前面に出す。
私が問いかけた点
「独立系」は売り手側の言葉。なぜ独立系だと顧客に役立つのかまで、顧客の言葉で伝えないと強みは伝わらない。
見直した訴求
特定の製品に縛られず、自社に合ったシステムを選んで作れることを伝える。旧システムからの乗り換えや業務の負荷を減らしたいといった顧客の関心に、その自由度と豊富な実績で応えられることを示す。
競合比較とデザインへの反映

競合がサービスの充実度を強調する中で、顧客の困りごとにどう応えられるかを説明する方針を提案しました。デザインについては、先方の希望を踏まえてBtoB企業としてのシャープさ・重厚さが伝わる方向に調整しました。

検索経路に合わせて、ページの役割を提案

社名を検索する人と、業務の困りごとを検索する人では、知りたい情報が違います。その違いを踏まえ、入口から商品ページへ進む経路と、各ページで伝える内容を私から提案しました。

社名で検索する人はトップページから、業務の困りごとで検索する人は解説記事から入り、商品紹介に合流して、事例紹介や展示会・ウェビナーも経ながら、商品問い合わせ・イベント参加申込・お試し登録へ進む導線
2つの入口から、商品の理解を経て、相談・申込へ進む導線。問い合わせ・申込ボタンはどのページでも上部に常に表示。 拡大表示 ↗
一覧と商品詳細で伝える内容

トップや商品一覧では開発方針・自由度・実績を伝えます。商品へ直接訪れた人には、冒頭で具体的なメリットを提示し、下へ進むほど仕様や事例、導入・サポートを詳しく説明する構成にしました。

理解から相談・申込につなぐサイト構成

ページごとに、何を理解してもらい、次にどこへ進んでもらうかを整理しました。商品説明・事例・展示会情報を、問い合わせや申込の接点へつなぐ構成です。

問い合わせやセミナー申込には、必要になった時点で進めるよう、ページ上部に常時表示する導線を設計しました。

商品への関心を、検討に必要な情報へつなぐ

商品ページは、経営者やマネージャーにとってのメリットを上部に置き、その後に特徴・操作画面・仕様・事例・導入手順を配置。商品を知る段階から、具体的に比較・検討する段階までを一つのページで支える構成にしました。

個別商品ページのワイヤーフレーム。①冒頭のメリット、②導入で変わること、③機能一覧、④導入事例と導入の流れに印

オレンジの枠と番号設計で工夫した箇所

  1. メリットを冒頭に採用を決める経営者・マネージャーの目線で、主なメリットを最初に示す。知識のある人はすぐに問い合わせや資料請求へ進める。
  2. 導入で変わること導入後に何が変わるかを、数字や図で具体的に示す。
  3. 機能はコンパクトに一般的な機能や優先度の低い機能は、一覧にまとめて短くする。
  4. 導入事例と導入の流れ強みである導入実績を載せ、導入の手順とサポート体制で、検討の不安を減らす。
当時の提案資料をもとに、会社名・商品名・数値を伏せてAIで作り直したワイヤーフレームです。画像をクリックすると拡大します。

更新のしやすさを、制作仕様に落とし込む

公開後の更新を想定し、入力項目とページの表示箇所を対応させました。未入力の段を表示しない処理や、商品一覧と詳細ページの情報の連動まで、制作側へ伝える仕様を整理しています。

編集できる範囲の整理

ページ内の順序は固定し、担当者が内容を更新できる範囲を明確にしました。定型に収まらないレイアウトは画像で対応するなど、日々の更新と個別制作を分けて設計しました。

独立採用サイト:働くイメージから応募へ

求職者が会社を理解し、応募を検討できる独立採用サイトの制作も担当しました。社員の紹介だけでなく、仕事、働く環境、社内制度、募集要項を分け、関心に合わせて情報を読み進められる構成へ整えました。

人・仕事・働く環境・社内制度・募集要項の5つの情報領域から、会社と働き方への理解を経て、エントリーへ進む構成
採用サイトの5つの情報領域と、エントリーへの導線。 拡大表示 ↗

社員紹介や職場の情報を伝えるページと、募集要項・応募の入口をつなぎ、デザイナー・コーダーと制作を進めました。

現在のサービスにつながる経験

企業の特徴をそのまま並べるのではなく、顧客が依頼する理由や、求職者が働くことを選ぶ理由として整理する。その判断を、文章・ページ構成・制作仕様まで具体化した経験です。企業の価値を言葉にし、制作に関わる人が同じ意図で使える形に残す現在の支援につながっています。

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